本日、ノルマンディーOC2019年産2次募集の概要が出揃いました。
今回ラインナップされたのは牡馬6頭牝馬7頭の計13頭。
ほとんどがセール馬ですので、所感についてはセール時の記事をご参照いただき、測尺及び動画が出揃った時点で気になる馬を取り上げていこうと思いますので、今回はざっと現時点で上がったデータのみの紹介にしておこうと思います。
セール時の記事は下記のとおりです。
・サマーセール初日(ミナミの19、バルフューレントの19)

・サマーセール最終日(ハヤブサマナポンの19)

・セプテンバーセール(スイートライラの19、ラブユーの19、ワイルドシンガーの19)

・オータムセール(エイシンピカデリーの19、ゴールデンレコードの19、スフィンクスの19)

2019年産 2次募集馬
・ゴールデンレコードの19
父:ジョーカプチーノ × 母:ゴールデンレコード(母の父:ハーツクライ)
生産:新冠・三村卓也 栗東・清水久詞厩舎入厩予定
募集金額:1920万(一口48000円)
父ジョーカプチーノは3歳1月にダート1700mで勝ち上がるとその後は芝へ矛先を転じ、NHKマイルCを勝利。
他にスプリント重賞2勝を挙げた快速馬でした。
数少ない初年度産駒の中からジョーストリクトリがニュージーランドTを制覇するなど、種牡馬としての人気が上昇しています。
本馬は父から太い首差し、はち切れんばかりに隆起した前後躯の筋肉を引き継ぎ、柔軟性も備わっています。
弾むように走る姿はまさに全身バネといった表現が相応しく、膝下が短く安定感のある骨格からもトップスプリンターに育つ資質を十分に持っています。
・スイートライラのの19
父:ディーマジェスティ × 母:スイートライラ(母の父:アフリート)
生産:日高・シンボリ牧場 美浦・奥村武厩舎入厩予定
募集金額:1400万(一口35000円)
父ディーマジェスティは皐月賞はじめ芝1800~2200mで重賞タイトルを3つ獲得。
3代母Doff the Derbyからはイギリスダービー馬Generousやイギリスオークス馬Imagineが出ており、優秀な血統背景からも期待される新種牡馬です。
一方、母スイートライラは新潟の直線競馬で特別勝ち含む2勝を獲得。
これまで短距離向きの種牡馬を配合されてきましたが、産駒が中央でマークした勝ち鞍はすべて芝の中距離戦となっています。
本馬は背中の伸縮がよく脚捌きにバネを感じさせますし、芝・ダート問わず中長距離路線での活躍が期待できそうです。
・スフィンクスの19
父:マクフィ × 母:スフィンクス(母の父:リンカーン)
生産:新ひだか・橋本牧場 美浦・伊坂重信厩舎入厩予定
募集金額:1440万(一口36000円)
1歳上の半兄スペクタクルは今年8月に3戦目で初勝利。
その後もダートで安定した走りを見せ、12月には早くも2勝目を獲得しています。
本馬の父マクフィは2017年より日本で供用を開始し、本邦初年度産駒が今年デビュー。
ここまで中央で10頭が勝ち上がり、計11勝をマークしていますが、特筆すべきはその内訳が芝5勝・ダート6勝とほぼ同じ勝利数になっている点でしょう。
本馬はトモの踏み込みが深く、背中には柔軟性と強靭なバネを感じさせます。
距離はマイルくらいまでを守備範囲に、芝・ダートを問わず活躍してくれそうです。
・ハヤブサマナポンの19
父:コパノリッキー × 母:ハヤブサマナポン(母の父:スペシャルウィーク)
生産:浦河・榊原敏明 美浦・清水英克厩舎入厩予定
募集金額:1080万(一口27000円)
父コパノリッキーのダートG1・Jpn1計11勝は歴代最多勝記録。
本馬はその初年度産駒になります。
父からガッシリとした馬格を受け継ぎ、肩、胸前、腹回り、後肢とどこをとっても筋肉量は申し分ありません。
幅もあってフレームもしっかりしている迫力満点の好馬体で、この先、強い負荷を掛けていってもきっちりと対応してくれることでしょう。
祖母ミスイースターからは小倉2歳ステークス優勝のマルブツイースター、曾祖母イングリッシュホーマーからは愛知杯に勝利したトウカイパルサーが出ているように、母系は芝での活躍も目立っています。
・バルフューレントの19
父:フリオーソ × 母:バルフューレント(母の父:ファスリエフ)
生産:新ひだか・増本牧場 美浦・岩戸孝樹厩舎入厩予定
募集金額:1120万(一口28000円)
近親クィーンオブキネマはOP含めダート特別戦5勝。
交流重賞のスパーキングレディーCでも2着に入る活躍を見せました。
本馬には多数のインブリードが生じていますが、注目すべきはフリオーソ産駒の走る馬に多く見られるMr. Prospectorのクロスを内包している点でしょう。
すでに500kg近い雄大な馬格、前後躯の要所には逞しく発達した筋肉を纏っていて、力強さを感じさせます。
母父ファスリエフは全欧2歳牡馬チャンピオンの座に輝いており、仕上がりは比較的早いと思われますが、ダートの中距離以上が本領発揮のステージとなりそうです。
・ラインレジーナの19
父:イスラボニータ × 母:ラインレジーナ(母の父:サクラバクシンオー)
生産:新ひだか・岡田スタッド 美浦・林徹厩舎入厩予定
募集金額:1280万(一口32000円)
祖母シンコウエンジェルは3頭の重賞馬を輩出。
ともに2歳戦で勝ち上がっていますが、重賞に優勝したのは3歳秋以降という、成長力もある牝系です。
また、父イスラボニータも2歳6月のデビュー戦に勝利し、6歳12月の引退レースで有終の美を飾っています。
本馬は6月生まれですが、ここまで右肩上がりの成長曲線を描いており、同期の牡馬たちと比べて馬体のサイズ感に遜色はありません。
背中の伸縮力が強く、機敏な身のこなし。
幅のある臀部のつくりなどからも相当なスピードを秘めていそうで、いかにも短距離向きに映ります。
・エイシンピカデリーの19
父:ヘニーヒューズ × 母:エイシンピカデリー(母の父:ハードスパン)
生産:新冠・佐藤牧場 美浦・松山将樹厩舎入厩予定
募集金額:1360万(一口34000円)
母エイシンピカデリーはハードスパン産駒の外国産馬。
牝系をたどると米国はじめ、世界各国で活躍した馬の名が数多く並びます。
父にヘニーヒューズを迎えた本馬は、均整の取れた骨格が特徴的。
首を上手に使って全身を連動させる身のこなしは、目を見張るものがあります。
父の産駒は砂上が主戦場となりますが、アジアエクスプレスとワイドファラオが芝・ダート両方で重賞を制しているように、決してダートだけではありません。
しなりが利いたキレのある走りができそうなタイプの本馬も、場を問わずに活躍してくれることでしょう。
・トーセンリリーの19
父:マツリダゴッホ × 母:トーセンリリー(母の父:アンバーシャダイ)
生産:新ひだか・岡田スタッド 美浦・小手川準厩舎入厩予定
募集金額:960万(一口24000円)
母トーセンリリーは2歳時に交流重賞のエーデルワイス賞に優勝し、3歳春にはフラワーCで2着に入るなど、芝・ダートを問わず活躍しました。
本馬の半姉で当クラブ所属馬のブリリアントリリーもここまで芝1勝、ダート1勝を挙げています。
父がマツリダゴッホに変わりましたが、馬体はすべてのパーツがバランスよく整っており、品格のある立ち姿は見る者の目を引きます。
キャンターの一完歩が大きく伸びやかで、姉同様に中距離までは守備範囲となるでしょう。
満を持して父を配した本馬が、母の最高傑作となる可能性を大いに秘めています。
・ミナミの19
父:キンシャサノキセキ × 母:ミナミ(母の父:ルーラーシップ)
生産:日高・アイズスタッド 美浦・稲垣幸雄厩舎入厩予定
募集金額:920万(一口23000円)
母ミナミの初仔になりますが、体型はコンパクトに纏まっていませんし、ゆったりとした胴伸びがある点は好感が持てます。
牝系からはダートOP特別で2勝を挙げ、計6勝をマークしたマハーバリプラムや、同じく中央ダートで4勝の戦績を残したデイトユアドリームなどを輩出。
ダート短距離路線での活躍が目立っており、父キンシャサノキセキの産駒も砂で勝ち上がる馬が多いことは確かですが、本馬はトモから繰り出される力強い蹴りがストロングポイント。
そこから生み出される推進力を武器に、芝でも切れる脚を使ってくれそうです。
・ムーニーポンズの19
父:トーセンラー × 母:ムーニーポンズ(母の父:Mizzen Mast)
生産:新ひだか・岡田スタッド 美浦・小西一男厩舎入厩予定
募集金額:880万(一口22000円)
母ムーニーポンズは繁殖牝馬として米国から輸入され、半兄には重賞3勝をマークしたマンボツイストがいます。
北米での活躍馬が多く名を連ねる牝系になりますが、母自身は芝のリステッド競走に勝利しており、2番仔ジェネシスロックは芝でデビュー勝ち。
本馬も軽快な身のこなしとクッションの利いた脚捌きがひと際目を引き、馬格以上の存在感を放っており、やや胴の詰まった体型ではありますが、父トーセンラー譲りの瞬発力を秘めていそう。
芝の短距離~マイル路線で早い時期から良績を挙げてくれることを期待しています。
・ラブユーの19
父:アグネスデジタル × 母:ラブユー(母の父:マーベラスサンデー)
生産:新ひだか・サンコウ牧場 栗東・北出成人厩舎入厩予定
募集金額:1000万(一口25000円)
父アグネスデジタルは今年23歳を迎え、種牡馬としては晩年に差し掛かっていますが、現2歳世代からはダートの新馬戦を勝ち上がり、デビュー2連勝で芝のOP特別を制したラストリージョを輩出。
同馬はエーデルワイス賞でも4着に健闘しています。
本馬はいかにも父譲りといったガッチリした馬体が特徴的。
筋肉量も豊富で、見る者を強く惹きつけることでしょう。
母ラブユーはダート中距離で3勝を挙げていますが、本馬は現時点での体型を見る限り、短距離が主戦場となりそう。
スピードとパワーで力強く押し切る競馬をイメージさせます。
・ワイキューブの19
父:ストロングリターン × 母:ワイキューブ(母の父:アグネスタキオン)
生産:新ひだか・岡田スタッド 栗東・吉村圭司厩舎入厩予定
募集金額:1240万(一口31000円)
母ワイキューブからはダートで4勝を挙げている現役OP馬オメガレインボーや、ダート3勝馬ファンシーリシェスが出ていますが、母自身はデビュー戦含む計4勝を芝で獲得し、北九州記念でも3着に健闘。
また、初仔リシェスも芝で新馬勝ちを収め、2番仔マダムリシェスはデビュー2戦目の芝のレースで勝ち上がっています。
本馬はキビキビとした身のこなしから、体幹の強さと運動神経の良さが伝わってきますし、反応が鋭く感受性の高い気性も好印象。
スピードと柔軟性を兼ね備えており、芝でも十分通用しそうな雰囲気が漂っています。
・ワイルドシンガーの19
父:ミッキーアイル × 母:ワイルドシンガー(母の父:ワイルドラッシュ)
生産:日高・槇本牧場 美浦・新規開業厩舎入厩予定
募集金額:1200万(一口30000円)
父ミッキーアイルはこの1歳世代がセカンドクロップ。
すでに今年デビューした初年度産駒からは重賞2勝のメイケイエール、交流重賞勝ち馬デュアリストらを輩出し、ここまで中央で計8頭が勝ち上がっています。
本馬の馬体を見てまず目を惹かれるのは、弾力性に溢れたトモの良質な筋肉。
上体と脚元のバランスも絶妙にマッチしており、高いポテンシャルを秘めているのは間違いありません。
半兄プロヴィデンスは未勝利戦を5馬身差で快勝し、3歳春には2勝目をマークしているように、本馬も早い時期からの活躍に期待が集まります。
以上13頭。
セール時から注目していた仔が軒並みラインナップされていて、非常に興味をそそられます。
血統構成的にほぼミナミの19は応募しようと考えていましたが、エストラテーガの状況を見るにつけ、稲垣厩舎にはちょっと安易に飛びつきたくないなという想いもあって、一歩後退した感じです。
とはいえ、他にもコパノリッキー産駒ハヤブサマナポンの19、ヘニーヒューズ産駒エイシンピカデリーの19、ミッキーアイル産駒ワイルドシンガーの19などもいますし、募集価格を考慮しなければゴールデンレコードの19もやはり良いデキだと思います。
マクフィ産駒も無視するわけにはいかないでしょう。
岡スタ産ではワイキューブの19の馬体は非常に好みです。
この辺りを中心に、この先上がってくる測尺や動画などを考慮しながら深く検討を進めていきたいと思います。
先行募集開始は年明け2021年1/6~。
まだ若干ですが時間もありますね^^
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