昨日ノルマンディーOCから2015年産駒の4次募集馬が発表されました。
今回ラインナップされたのは当初募集予定と発表された5頭に加え更に3頭。
結果的に3次募集を上回る、牡馬2頭牝馬6頭の計8頭になりました。
今回は地方募集のヤマカツアンナの15を除く7頭について、馬体写真や動画を見た上で考察していきたいと思います。
また、既に本ブログで取り上げている馬もおりますので、そちらもご参照頂けたらと思います。
・タニノジャドールの15
父:エイシンフラッシュ × 母:タニノジャドール(母の父:サンデーサイレンス)
生産:新ひだか・岡田スタッド 栗東・昆貢厩舎入厩予定
募集金額:1280万(一口32000円)
体高:161.0 胸囲:181.0 管囲:20.5 体重:470
菊花賞馬ビッグウィークの半弟にあたる良血馬です。
父がエイシンフラッシュに変わりましたが、よく発達した胸前の筋肉など、父の特徴が随所に感じられる好馬体で、将来が非常に楽しみです。
その父はこの世代が初年度産駒ですが、毎年約200頭に種付けを行うなど、馬産地ではすでに人気種牡馬の1頭。
サンデーサイレンス系を含んでいない血統構成ゆえに、本馬のような同系の繁殖牝馬と相性が良さそうですし、現にキングマンボ系×母の父サンデーサイレンスといえば、二冠馬ドゥラメンテなど、5頭のG1馬が出ています。

昨年のセレクトセールで上場され主取りになった馬です。
何頭かラインナップされそうだったエイシンフラッシュ産駒ですが、結局この仔だけになりました。
本馬は母17歳時の8番仔。
2番仔バゴ産駒の半兄ビッグウィークは菊花賞馬になります。
ビッグウィークのひとつ下にあたるタニノギムレット産駒のタイセイジーニアスが障害1勝を含む3勝。
5番仔のグラスワンダー産駒ムテキザセカンドが1勝と、徐々に活力が落ちている感じなのが気になるところです。
エイシンフラッシュは本年度の新種牡馬ですが早くも中央勝利を上げていて、血統構成的にバラエティーに富んだ配合相手をチョイス出来るため、今後活躍も大きい種牡馬だと思います。
印象としてはなんとなくですが、サンデーの直仔よりはワンクッション置いた母父父サンデーの牝馬の方が良さそうな気がします。
馬体面ではこの時期なので胸前のガッチリさからするともう少しトモの大きさはほしいところですが、そこまでバランスが悪いという感じではないですね。
歩様もスムースなので、あとは全体的に力強さが加わればというところだと思います。
・リンダムーンの15
父:スペシャルウィーク × 母:リンダムーン(母の父:リンドシェーバー)
生産:様似・小田牧場 美浦・畠山吉宏厩舎入厩予定
募集金額:1480万(一口37000円)
体高:161.0 胸囲:187.0 管囲:22.0 体重:503
バランスの取れた漆黒の好馬体、鼻筋の通った凛々しい顔など、ひと目でスペシャルウィーク産駒と分かるほど、父の特徴が良く出ています。
それだけでもエリート街道を進んでくれそうな予感がありますが、さらに血統を紐解くと、父も母もファミリーラインが名門シラオキ系という珠玉の配合。
シラオキは日本ダービーの2着馬で、母として顕彰馬のコダマを輩出した歴史的名牝。
ウオッカ、シスタートウショウ、マチカネフクキタルといったクラシックウイナーも子孫にあたります。
配合的にも大舞台を意識したい逸材です。

昨年のサマーセールで落札された馬です。
所感はその際に書いているので割愛。
先月の調教見学ツアーでは牧雄氏からかなり前向きな発言があったようで、今回の目玉と言えると思います。
その為か募集金額もちょっと強気。
約一年の育成期間があるのでその分を乗せても1080~1200万前後ではないかと思ってました。
馬体的には既に完成されつつある感じで、ある程度の値付けも肯ける部分はあります。
歩様も後肢の踏み込みが力強く、前向きさもあるので推進力は高そうです。
ただセール時の所感にもあるように基本ダートだと思うので、スペシャが上手くダートに寄ってくれたらなといったところです。
ここまで見たところは目玉に相応しい仔だと思います。
・エムケイミラクルの15
父:ショウナンカンプ × 母:エムケイミラクル(母の父:フジキセキ)
生産:青森県三戸郡・佐々木牧場 美浦・青木孝文厩舎入厩予定
募集金額:880万(一口22000円)
体高:155.0 胸囲:183.5 管囲:19.5 体重:483
高松宮記念の優勝馬である父ショウナンカンプは現在、芝の短距離戦を中心に活躍馬を輩出する快速種牡馬。
一方、母エムケイミラクルは地方の岩手で3勝も、2歳夏に芝1000m戦でデビュー勝ちを収めていたように、芝向きのスピードを誇っていました。
本馬はそんな両親の長所を受け継いだのか、コンパクトな馬体をしており、いかにも短距離戦でスピード能力を活かした走りを見せてくれそうな雰囲気があります。
父よりも母の父であるフジキセキの特徴がよく出ている印象がありますので、マイル戦にも十分対応できそうです。

昨年の八戸セール落札馬。
出てこないものとばかり思っていましたが、ここに来てのラインナップ。
ここまで出てこなかったのは馬体の成長が追いついてこなかったのは一目瞭然でしょう。
セール時の所感にもあるように、地方募集ならという感じですが。。。
歩様自体は悪くありませんが、全体的に緩く、とにもかくにも身体の薄さが気になります。
前肢に力強さが足らない気もしますし、若干右前にリスクを感じなくもありません。
・コールミーシュガーの15
父:アポロキングダム × 母:コールミーシュガー(母の父:アドマイヤムーン)
生産:新ひだか・三石川上牧場 美浦・堀井雅広厩舎入厩予定
募集金額:600万(一口15000円)
体高:155.0 胸囲:182.5 管囲:19.0 体重:466
父アポロキングダムはレモンドロップキッド×ストームキャットの良血を活かし、種牡馬として大成。
最優秀障害馬アポロマーベリックなど、これまでにJRAで20頭以上の勝ち馬を送り出しています。
一方、母系は曽祖母ハイドザブライドが米重賞ウイナーであるほか、近親に欧米G1馬の名前もあって、活力を感じるファミリーと言えるでしょう。
その良血ぶりは馬体にしっかり反映されており、前駆、後躯がよく発達したバランスの良い造り、透き通るような皮膚の薄さ、美しい栗毛など、ほれぼれする部分が少なくありません。

昨年のサマーセール落札馬。
募集金額600万は地方を除くと史上最安ではないでしょうか?
こちらも小さい仔ですが、前述のエムケイミラクルの15よりバランスは良いですし、こちらのほうが薄く見えません。
やはりトモの大きさはもう少しほしいところですね。
エムケイミラクルと同じ3月生まれですが、こちらはまだ大きくなりそうな感じはありますので、金額の安さから考えれば脚元に不安さえなければ面白いかも知れませんね。
・スイートクラフティの15
父:ダノンシャンティ × 母:スイートクラフティ(母の父:Crafty Prospector)
生産:日高・シンボリ牧場 栗東・飯田祐史厩舎入厩予定
募集金額:1080万(一口27000円)
体高:157.0 胸囲:180.0 管囲:19.5 体重:455
母スイートクラフティは芝1400m以下で5勝、父ダノンシャンティ、伯父シンボリインディはNHKマイルCの優勝馬。
また母の父クラフティプロスペクター、母の母の父にもダンチヒと、スピード能力の塊と言っても過言ではないほど、随所に速さを感じる血統構成になっています。
しかもサンデー、ミスプロ、ノーザンと各父系がバランス良く配置されている点も、配合的に好感が持てます。
当然、馬体にもそのスピード能力の一端が垣間見られ、逞しさを感じるトモの筋肉などは、鋭い瞬発力につながりそうな雰囲気があります。

先月のトレーニングセールでの落札馬。
セール時も調教見学ツアーの際にも430kg台でしたので、この1ヶ月ほどで20kgほど増えてるようで、トレーニングセール後の回復は上手くいった様子が伺えます。
上記セール時の所感にかなり詳しく取り上げてますので割愛しますが、シンボリの系譜、鞍上岡部ラインと母に対してはかなりノスタルジックなものを感じます。
馬体はまだ若干腰高ですが、かなりバランスも良くなってきました。
胸前の厚みもあって、馬体重の割には大きくみせる感じです。
歩様前肢の掻き込みに力強さがあって、リズム感も感じます。
現段階での後肢の踏み込みも許容範囲でしょう。
価格もギリ適性で興味はそそられる1頭です。
……関西馬なんだけど。。。
・マイネナデシコの15
父:ゴールドアリュール × 母:マイネナデシコ(母の父:サッカーボーイ)
生産:浦河・谷口牧場 栗東・羽月友彦厩舎入厩予定
募集金額:1920万(一口48000円)
体高:163.0 胸囲:186.0 管囲:19.8 体重:476
ゴールドドリームがフェブラリーSに優勝、4歳牝馬のワンミリオンスが交流重賞を2連勝、また3歳のエピカリスがUAEダービーで2着に入るなど、今年もゴールドアリュール産駒がダート路線で大活躍。
それだけに今年2月の父の訃報が本当に惜しまれます。本馬はその父を彷彿とさせる栗毛の好馬体で、シルエットも非常にそっくりですが、同時にたてがみの色や後肢のソックスの長さなど、所々に母の父サッカーボーイの雰囲気も点在。
父のダート適性はもちろんですが、母の父からスピードやスタミナも期待できそうです。

4月のブリーズアップセールで岡田壮史氏名義で落札された馬です。
落札時に一時、落札者取り違えでノルマンディーOC落札と発表されてしまった関係で、未だにノルマンディー落札馬と思われてる方々もたくさんいるようですが、正しくは岡田壮史氏名義です。
ですので、オーナーズプロにいくものと思ってましたから、今回ラインナップされたのはちょっとしたサプライズでした。
ゴルア×サッカーボーイはかなり惹かれる血統です。
現在出資するなら牝馬だと思っているので、ラインナップだけざっくり見た時には最も有力な出資馬候補だと思っていましたが、しっかり見てみるとこれもまた関西。
オンファサイト(ミラグロレディの15)が関西ですし、やはり生で応援できる関東馬が欲しいところなので一歩後退です。
募集金額的には『高い』という声も聞こえてきますが、ワタクシ個人としては2000万を超えてくると思っていましたので、抑えたほうなのかなと感じています。
セール時には素軽そうな気配がありましたが、歩様を見ると大きいストライドでゆったりとした重厚感も感じます。
辛うじて四白流星で尾花栗毛。
きれいな馬体はゴールドアリュールというより血統的な繋がりはありませんがゴールドシチーを思い出しますね^^
・ヤマトプリティの15
父:アポロキングダム × 母:ヤマトプリティ(母の父:アンバーシャダイ)
生産:新ひだか・静内白井牧場 美浦・菊川正達厩舎入厩予定
募集金額:760万(一口19000円)
体高:159.0 胸囲:185.0 管囲:20.0 体重:474
半姉ヤマトマリオンは芝、ダートを問わず1800m以上で重賞を4勝。
母ヤマトプリティ、祖母ヤマトビューテイがダートの短距離でパワーとスピードを発揮したタイプでしたので、父オペラハウスの影響を強く感じました。
本馬も栗毛の馬体、顔に白い鼻筋が通っているところなど、父アポロキングダム似の印象を受けます。
父自身がダート1600mと1800mで2勝していたほか、産駒にも現3歳のアポロユッキーなど同様の条件を得意としている馬が多い現状を考慮すると、おそらく本馬もそのようなタイプになるかもしれません。

5月の千葉サラブレッドセールでの落札馬。
母高齢が気になるところですが、馬体は悪くないと思います。
歩様は右肩の出がスムースさに欠けていて少し気になります。
血統だけ見たら同じアポロキングダム産駒のコールミーシュガーの15と比較すると高いと思ってしまいますが、こちらは落札金額が475.2万ですので致し方ないところだと思います。
母系はコールミーシュガーの15よりもこちらのほうが野暮ったい感はあるものの、なんとなくアポロキングダムにはこういう野暮ったい母系の方が合いそうな気がします。
ただ、アポロキングダム産駒は2頭いて双方とも関東なので、どちらか一方を関西に振り分けて、関西入厩のどれかを関東に回して欲しかったなぁ。
有力そうな牝馬を関西に入厩させるケースが増えてるのは、それだけノルマンディーが桜花賞を意識しだしたということなのかもしれませんが。。。
以上、中央入厩馬7頭を考察してみました。
結局、ラインナップを熱望していたエイシンフラッシュ産駒ホットレディ2015は最後まで入りませんでした。
どうなったのか気になって調べてみたら、既に売却され中央に馬名登録までされていました。
今となってはオンファサイトに出資しておいてよかったかなぁと思います^^
4次に関しては、現在のところ出資したいと思わせる仔が軒並み関西なので、しばらく様子見になるかと思います。
そして毎度毎度いつものことながら、ワタクシ、相馬眼やら馬体を評価するような深い知識は持ち合わせておりませんので、あくまで個人の所感ということで今回もよしなにお願い致しますm(_ _)m
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